揖斐川町 ― 薬草文化がつなぐ地域づくりと持続可能な未来
2025年10月20日 豆知識
自然とともに生きてきた薬草の里
岐阜県揖斐郡揖斐川町は、伊吹山や能郷白山を望み、清らかな揖斐川が流れる自然豊かな町です。
この地域には古くから多くの薬草が自生しており、よもぎ、ドクダミ、クコの葉、オオバコなど、身近な植物を薬や食材として暮らしに取り入れてきました。
薬草は単なる民間療法にとどまらず、自然と共に生きる知恵として、地域の文化を形づくってきたのです。

地域づくりとSDGsへのつながり
近年、この薬草文化が「地域づくり」の大切な資源として改めて注目されています。
人口減少や高齢化といった課題を抱える中山間地域において、薬草を活用した取り組みは、SDGsが掲げる「すべての人に健康と福祉を」「住み続けられるまちづくり」にも直結します。
実際に春日(かすが)地区では、薬草茶や草木染めなどの商品づくりが行われ、地域の人々に受け継がれています。これらの活動は経済的な効果だけでなく、人と人とのつながりを深める大切な活動にもなっています。

新しい挑戦 ― 岐阜コーラ
揖斐川町では、伝統を大切にしながら新しい挑戦も生まれています。
地元の若者3名が中心となって立ち上げた「岐阜コーラ」は、薬草や地元産素材を生かしたクラフトコーラです。
伝統の知恵と現代の発想が融合したこの飲み物は、町の新たな魅力発信として注目を集めています。

学びと自然環境の保全
薬草文化は、教育や環境保全の観点からも重要な役割を担っています。
子どもたちが薬草を知ることは、自然を大切にする心を育み、地域の歴史を学ぶきっかけになります。
また、薬草が育つ森や水源を守ることは、地域全体の自然環境を守ることにもつながります。

未来へ広がる揖斐川町の知恵
揖斐川町を訪れた際は、ぜひ「はるひ案内所」にも足を運んでみてください。
春日村時代から続く薬草文化の歴史を、所長さんが情熱を込めて語ってくれます。
その言葉に耳を傾けると、町の魅力をより身近に感じることができるでしょう。
所長さんが目指すのは、薬草を核とした「自然と共生する持続可能なまちづくり」。
薬草を活かした学びや交流の場を広げることで、地域の内外に新たな価値が生まれています。
揖斐川町ならではの、自然を大切にしながら文化を受け継ぐ取り組みは、未来への大きな財産となることでしょう。

おわりに
揖斐川町の薬草文化は、過去から未来へと受け継がれる知恵であり、地域をつなぐ柱です。
自然の恵みを守りながら、人と地域、そして未来を結びつける取り組みが、この町から静かに、そして力強く広がっています。
