日本人と豆の歴史③
2026年05月25日 豆知識
節分の豆まきに込められた、日本人の願い
節分になると、「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまくご家庭も多いのではないでしょうか。
子どものころ、家の中で豆をまいた思い出がある方もいるかもしれません。
この豆まきにも、日本人と豆の深い関わりが表れています。
農林水産省の説明によると、節分に豆をまくのは、豆が米と同じように人の力のもとになる食べものであり、霊力を持つとも考えられていたからです。
病や災いを鬼に見立てて祓い、その豆を食べることで力をいただくという考え方が、中国の鬼追いの行事「追儺」と結びついて広まったとされています。
また、節分は本来「季節を分ける日」のことですが、日本では立春の前日が特に大切にされてきました。旧暦では春が一年の始まりと考えられていたため、新しい季節を気持ちよく迎えるための行事として、節分が重んじられてきたのです。

では、なぜ豆だったのでしょうか。
それは、豆が昔から命を支える大切な食べもので、特別な力があると感じられていたからです。
毎日の食卓を支える豆だからこそ、行事の中でも「福を呼ぶもの」として使われるようになったのでしょう。
さらに、節分で使うのは「炒り豆」が基本です。豆=魔目、魔滅という語呂に由来する説や、炒った豆なら芽が出ず、厄を残さないという考え方も、農林水産省の節分紹介で触れられています。
昔の人の発想には、願いと暮らしの知恵がきれいに重なっています。

食べものとしての豆と、行事の中の豆。
どちらも、日本人が豆をとても大切にしてきたことを教えてくれます。
豆は体を支えるだけでなく、季節の節目に心を整える存在でもあったのです。
豆の豆知識

大豆は、豆腐や味噌、納豆、醤油のように日々の食事を支える一方で、節分のような年中行事の中でも大切にされてきました。
農林水産省の和食文化の資料でも、豆は五穀のひとつとして重視され、日本の食文化に深く根づいていることが紹介されています。
毎日食べる豆と、願いを込めてまく豆。その両方があるところに、日本の豆文化のおもしろさがあります。