もやしラボ

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南極でも、もやし①

2026年07月07日 豆知識

名古屋港「ふじ」の小さな栽培器

名古屋港のシンボルとして親しまれている、鮮やかなオレンジ色の南極観測船「ふじ」。

ご家族で見上げたことのある方も多いのではないでしょうか。1965年(昭和40年)から18年間、日本と南極のあいだを往復したこの船は、当時のままの船内を歩くことができ、操舵室や医務室、乗組員の居室などを見学できます。そんな「ふじ」の調理室に、実は小さな「もやし栽培器」が置かれていたことを、ご存じでしょうか。

南極へ向かう船の食材は、長い航海に耐えられるよう、乾燥や冷凍にしたものがほとんどでした。それでも200名を超える乗組員からは、「水分のある、みずみずしい生野菜が食べたい」という声が尽きません。そこで頼りにされたのが、もやしだったのです。

もやしは、太陽の光がなくても、水と豆さえあれば数日で育ちます。氷に閉ざされた極限の環境にこそ、ぴったりの野菜だったのですね。しかも、豆が芽を出す力はおどろくほど。たとえば大豆は、発芽すると、もとの豆にはほとんどなかったビタミンCがぐんと増えるといわれます。風邪の予防に役立つビタミンCを、船の上でも手軽にとれる――もやしは、まさに頼れる相棒でした。

半世紀以上も前、地の果ての海で観測隊員の食卓を支えたもやし。名古屋港にお出かけの際は、ぜひ「ふじ」の調理室をのぞいてみてください。

では、最新の南極では、いまももやしが活躍しているのでしょうか。
次回は、半世紀をこえて変わった――そして変わらない――「南極の食卓」の今をのぞいてみます。

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